前々から「360度動画やるといいよ」と言われながらも、「安いのだと画質イマイチなんだよね~」と言いながら敬遠してきた360度カメラ。
しかし、アクションカメラでおなじみのGoProが発売した「GoPro Fusion」で状況が一変!
決して安くはありませんが、これなら充分な画質も持っているので購入を決意。
日本での正式発売はまだ(4月予定)ですが、実は世界共通のGoPro公式サイトから購入できちゃうので、ポチりました。
海外からの発送ですが、2~3日で届くというので事前に色々と予習…している内に発見したのが、Garmin社のVIRB360という360度カメラ。
調べれば調べるほど…「ヤバい!明らかにこっちの方がいいじゃん!!」ということでお買い上げ。
こうして、手元にGoPro FusionとVIRB360があるので、比較記事を書いてみました。
画質はGoPro Fusionの方が上。でもVIRB360をおすすめする理由
解像度に劣るGoPro Fusionでも、画質は上
機能面を見て、後からVIRB360を購入したわけですが、比較撮影をしてみるとGoPro Fusionの方がきれいでした。
ちなみに、360度カメラにおける解像度/画素数を見る上で大事なポイントを簡単に紹介します(画像)。
比較動画
ブログ記事本文と重複する説明もありますが、自撮り棒にGoPro FusionとVIRB360を両方付けて撮影した比較動画もあるので、よかったらご覧ください。
360度写真で比較
まずは全体像で比較してみると、GoPro Fusionの方がコントラスト高め、そしてホワイトバランスが少し暖色系に振られています。
また、画面左側、屋外からの光が差し込んでいる窓を見ると、VIRB360は白飛びしていることが分かります。
見比べなければ気になりませんが、比較するとGoProの方が高画質に見えます。
等倍で比較
上で使用した360度写真の一部を1280×720で切り抜いた画像の比較です。
青いLED部分を見ると、GoProでは縦に並ぶLEDがひとつひとつ解像できていますが、VIRB360だと縦につながった1本の線のようになってしまいます。
また、スクリーンに映る矢沢さんや、スクリーンの下にある文字、ポスター左上の日産ロゴを見ても、画質の差は歴然です。
そんなわけで、画質勝負はGoPro Fusionの勝ち。
それでも僕のオススメは、VIRB360です。
スペック面ではVIRB360が圧倒!
2018/2/20現在、VIRB360はAmazonで約9万円、GoPro Fusionは公式サイトで88,000円と、ほぼ同価格。
でも、画質面以外のスペックを比較をするとVIRBの圧勝です。
重量:VIRB360は180g、GoPro Fusionは226g
使用状態(本体+バッテリー+マウント)の重量を比較すると、VIRB360の方が約20%軽量です。
どっちにしろかなり軽いとはいえ、頭に取り付けてアクションカメラとして使う人も多いので、そういう使い方だとだいぶ効いてきます。
防水性能:VIRB360は10m、GoPro Fusionは5m
両機種とも、雨や水しぶきはもちろん、プールでの使用ぐらいなら問題ありません。
ただ、ダイビングになってくると5mのGoPro Fusionでは頼りない感じがしますが、VIRB360の10mがあれば初心者のダイビングぐらいなら大丈夫じゃないでしょうか。
レンズカバー:VIRB360は交換可能、GoPro Fusionはカバー無し
360度カメラは凸型のレンズが前後に飛び出す形になっているので、ぶつけてレンズを破損してしまうリスクがあります。
これを考慮してVIRB360には透明の保護カバーが標準装備されていて、万が一破損してしまってもカバーを購入すれば交換できます(3600円)。
一方、GoPro Fusionはカバーがないので、レンズが割れたら修理するしかありません。
アクションカメラとして使うことを考えると、ぶつけたり落としたりすることもあるでしょうから、これはVIRB360の大きなメリットです。
センサー多数のVIRB360、GPSのみのGoPro Fusion
これは車載動画やスポーツ系の撮影をする人向けの話ですが、VIRB360にはGPS・高度計・気圧計・Gセンサー・ジャイロセンサーが装備されています。
さらに、PC用の編集アプリ「VIRB Edit」には自動車のOBD2や、スマートウォッチの心拍数センサー、さらには自転車用のセンサーといった外部のセンサーからのデータを取り込む機能が搭載されています。
これにより、こんな感じで映像にセンサーからのデータをオーバーレイ表示することができます(G-Metrix機能)。
GoPro FusionでもGPSデータを使って、スピードやG、移動経路などを表示させることはできます(手ぶれ補正の精度向上のために、ジャイロセンサーとGセンサーが搭載されているという情報もあり)。
ただし、動画へのオーバーレイ表示をするためのQuikアプリは360度動画には非対応(2018/2/20現在)。
360度動画でこれができるのは、今のところVIRB360だけです。
ライブ配信・外部出力ができるVIRB360、できないGoPro Fusion
VIRB360はiPhoneやiPadさえあれば、単体で360度動画をライブ配信することができます(YouTube・Facebook)。
また、マイクロHDMI端子がありますので、キャプチャーボードとPCを接続して配信することも可能。
一方、GoPro FusionにはHDMI端子はなく、スマホ等によるライブ配信にも非対応です。
使い勝手もVIRB360の勝ち。GoProで培った経験はどこへ…??
スペック的にはVIRB360の圧勝でしたが、データには表われない使い勝手の部分もVIRB360の方が優れています。
撮影ボタン
VIRB360の撮影操作は、本体側面にあるスライド式のスイッチを使います。
あまり見かけないパターンですが、押し間違いやバッグの中での誤作動も少なく、「押したつもりが反応してない」といったことも起きない、かなり優秀な構造です。
一方、GoPro Fusionはおなじみの赤丸が付いたボタン。
これも決して悪いものではなく、固さや感触などしっかり感はあるんですが、VIRB360の確実性と比較すると見劣りします。
なお、両機種とも電源オフ状態からのボタン操作で即録画開始できますし、スマホアプリによる遠隔操作にも対応しています。
Wi-Fiのスイッチ
意外にもこんなところでも差が付きました。
VIRB360は本体上部にあるボタンの長押しでWi-Fiオン。よくあるパターンです。
一方、GoPro FusionにはWi-Fiボタンがありません。
なので、側面のモードボタンでメニューを出して、撮影ボタン(OKボタンの代わり)とピコピコしながらWi-Fiのメニューに行ってオンオフするという、昔ながらのスタイル。
GoPro HEROシリーズにはWi-Fiボタンが付いているのに、なぜ無くしちゃったんでしょう…?
SDカード:1枚で動くVIRB360、2枚必須のGoPro Fusion
両機種ともClass10&UHS-1 U3対応の高速microSDカードが必要ですが、GoPro Fusionは2枚挿さないと動きません。
これは、前後のカメラのデータをそれぞれのSDカードに記録する仕組みになっているからなんですけど、正直面倒くさいです。
一方、VIRB360は1枚で動きます。
とはいえ、5Kの動画はファイルサイズも巨大になるので、長時間の連続撮影をする場合はGoPro Fusionが有利になります。
録画時間
- VIRB360:2時間49分(5K 30fps、128GB×1枚)
- GoPro Fusion:5時間1分(5.2K 30fps、128GB×2枚)
※5Kと5.2Kで違って見えますが、画素数は同じ4992×2496pxでの比較です
正面形の小さいVIRB360、デカいGoPro Fusion
これは使い方によるんですが、僕はVIRB360の形状の方が使いやすいと思っています。
正面形を比較するとこんな感じ。
頭や自転車に付けるときは、風の抵抗が少なく、重心の低いVIRB360の方が有利です。
GoPro Fusionの方がカメラっぽくないオシャレなデザイン、しかも薄型なので、街中で使ったりするときはアリかもしれませんが…、GoProのイメージとは違いますよね。
※比較用に、敢えてVIRB360にもGoPro用のマウントを装着しています
VIRB360でもGoProのマウントが使えちゃう
アクションカメラの世界ではGoProが圧倒的で、様々な取り付け方をするためのマウントが数多く販売されています。
GoPro Fusionは当然これらに対応しているのが強みなんですが、ちゃっかりVIRB360もGoProマウントが使えちゃいます(笑)
最初から2種類のマウントが付属していて、三脚に取り付けるための1/4ネジ穴と、GoProマウント用のマウント。もはや死角がありません…。
VIRB360は外部給電も使い勝手◎
両機種とも撮影しながらUSB端子で給電することができるので、モバイルバッテリーなどを繋いでおけば、電池切れの心配はほとんどありません。
ただ、360度カメラならではのお悩みが、「USBケーブルが写り込んじゃう」というもの。
ボディの真横部分はカメラの死角なので、うまくここを通せば写りませんが、かなりシビアです。
ですが、VIRB360に用意されている「電源直結三脚マウント(6,000円)」を使えば解決!
これは電源ケーブルと一体化したマウントで、マウントをセットすると本体底面の専用端子と繋がって給電できます。
本体の底面からケーブルが伸びるので写り込みません。
自撮り棒を使って撮影するときでも、これなら小型のモバイルバッテリーを繋いで給電することすらできます。
しかも、本体のUSB端子を使わない=ボディ側面のフタは閉まったまま=防水も維持できる、というスグレモノ。
※本体底面とマウントに付いている2つの接点で通電します
6,000円と安くはありませんが、使い勝手が良すぎるので即購入しました。
一方、GoPro Fusionにはこのようなオプションはなく、本体側面のフタを開けて、そこにUSB Type Cのケーブルを挿すしかありません。
一応、少しでも使いやすくしようと、フタを取り外せるようにはなっています。
ですが、フタを外すと(というか開けた時点で)防水ではなくなります。
GoPro Fusionの長所
僕はGoPro Fusionをdisろうという気はさらさらなく、むしろ最初にFusionを買ったぐらいなんですけど、VIRB360があまりに良く出来ていて、こんなことになってしまいましたw
ですが、GoPro Fusionの方が優れてる部分もあります!
高画質
冒頭に書いたとおりです。
バッテリー容量が大きい
フル充電から同じ5.2K画質で動画撮影すると、VIRB360は約1時間10分で電池切れ。
GoPro Fusionは1時間半以上撮影できました。…が、1時間ちょっとのところで高熱によりシャットダウン(約20度の室内)。
環境によるでしょうが、一応はGoPro Fusionの方が長時間の連続撮影ができるはずです。
60fps撮影ができる(ただし3K画質)
GoPro Fusionは60fps撮影ができるので、1/2のスローモーション撮影が可能です。
画質は3K画質(3008×1504)に落ちますが、VIRB360で60fps撮影は不可能なので、動きの早い対象を細かく撮影する必要があるなら、GoPro Fusionの方が優れています。
静止画(360度写真)の解像度が高い
動画の解像度はVIRB360の方が上ですが、写真の解像度はGoPro Fusionが1,800万画素、VIRB360が1,500万画素なのでGoProの勝ちです。
ただ、写真メインで動画はオマケという人は、断然お安いリコーのThetaシリーズを買った方が良いかもしれません。
SDカード2枚使用で撮影時間が長い
前述の通り、GoPro FusionはmicroSDカードを2枚使用するので、その分だけ長い時間記録することができます。
途中でSDカードの入れ替えができないような連続撮影をするなら、GoPro Fusionの方がオススメです。
立派な自撮り棒/三脚が付いてくる
GoPro Fusionにはかなり気合の入った、大型の自撮り棒が付いてきます。
縮めた状態で23cm、伸ばすと実に57cm、さらには取っ手の部分を開くと三脚になります。
VIRB360には全長10cmのコンパクトな三脚/持ち手(自撮り棒と呼ぶには短すぎる)が付いています。
ケースが付いてくる
前述の通りレンズが弱点だからなのか、GoPro Fusionには良い感じのケースが最初から付いてきます。
マウントを付けたままでもしっかり収納できるスグレモノ。
VIRB360にはこのようなケースは付いてこないので、僕は箱に入っている梱包用のクッションに入れて持ち歩いていますw
2000円安い
大した差ではありませんが、読んで字のごとくです(笑)
まとめ:VIRB360の勝ち。「画質良ければ全てよし」という方はGoPro Fusion。
重さや防水性能といった基本スペック、多数のセンサーやライブ配信対応、レンズ保護やスイッチの使いやすさといった使い勝手など、明らかにVIRB360がGoPro Fusionより優れています。
一方、画質面やSDカード2枚使用・大容量バッテリーによる長時間撮影がGoPro Fusionの数少ない長所といえるので、定点撮影や長時間の連続撮影、画質最優先という人以外は、VIRB360で間違いないです。