新型アルトワークスは、アルト ターボRSのお値打ち装備豪華版?!
約15年ぶりに復活したアルト ワークス。
アルト ターボRSが出る前から「ワークス復活?!」と囁かれている中で登場したターボ RSにMTの設定はなしく、「ワークス復活しろ!!!」と思っていたファンも多いはず。
そんな中、昨年のモーターショーに鳴り物入りで登場したアルトワークス。残念ながら僕は旧ワークスに乗ったことが無いので「往年のワークス復活なるか?!」…的なインプレッションは書けませんが、アルトターボRSや他のホット軽カーに乗ったことがある経験も踏まえてアルトワークスを斬っていきます。
毎度のことながら、褒めちぎり記事は一般メディアに任せて、ここではチョット辛口で…。
ターボRSとのスペック差
アルトワークスとターボRSのスペック上の主な違いは以下のとおりです。
- レカロシート
- 5MTの有無
- 0.2kg・mのトルクアップ
ノーマルのアルトと比べれば、ボディ剛性の強化、エンケイのホイール、KYBのショックアブソーバーなども挙げられますが、当初はワークスを出す予定が無くターボRSのみの予定だったので、これらはターボRSにもなされているチューニングとなります。
トランスミッションに関しては5MTが専用開発で採用された一方、5AGSもラインナップされます。
カタログを見ると「新型アルト ワークスに搭載される5AGSは、変速制御プログラムにチューニングを施すことで変速スピードの短縮を実現し…」と書いてありますが、ギア比だけに関してはターボRSのそれと全く同じなので、制御を少し変えただけのものなんでしょうね。
また専用の内外装の仮装もかなり控えめで、刺激的な赤がアクセントになっているターボRSよりも大人しく見えるくらいです。
ターボRSとの中身の差
- ECUチューン
- 引き締まった足回り
スペックとしては「0.2kg・mのトルクアップ」しか見えてきませんが、ECUチューンもされ、ピークが上に伸ばされているようです。
これに関しては正直なところ、販売店の試乗コースでは上までガッツリ回して走れるシーンはほぼ無く、正直よく分かりませんでした。「言われてみれば…」と言うレベルで、ハッキリと「こりゃ違うわ!」とはなりませんでした。詳しくは後述します。
もう一点の目に見えない差は、足回りです。どちらもKYB製ショックアブソーバーが採用されていますが、アルトワークスの方がターボRSに比べて更に引き締められています。これは実際に街乗り試乗でも感じられた点で、路面の凹凸に対してゴツン!と突き上げます。しかしそのハーシュネスの収まりは早い。
と言っても、後付けでビルシュタインの車高調を入れたクルマに慣れていた自分からすると、まだまだ快適ですが(笑)
ターボRSとの体感的な差
- ドラポジ
- 人馬一体感
- 燃費
ドラポジがシックリ決まった!ホールド性もなかなか!
以前ノーマルのアルトに乗った際、ドラポジが上手く決まらずに自分的にNGだったと記憶しています。ターボRSが登場した際も、スポーツモデルなんだから!とその改善を期待したのですが、こちらもNG。
ターボRSのシートは、ノーマルのアルトよりはホールド性を増したとか言われていましたが、スポーツ走行どころか、スポーティ走行ですら論外。これは自分でレカロかスパルコくらい入れるの前提?と思ったのが本音です。
その点、ワークスでは標準でレカロのシートを入れてきました。とはいっても、標準装備のレカロということで、セミバケのSR-7っぽい背もたれにオリジナルの座面を組み合わせたもの。賛否両論はありますが、僕の中では「まぁ、アリかな」といったところ。
一応レカロシートですから、シートバックの調整が無段階のダイヤル式になり、簡単に適正なドライビングポジションが得られるようになりました。肩の部分もそれなりにはホールドしてくれます。
本気で攻めるならフルバケを入れてもいいですが、普段は通勤などで足として使い、週末に山道でちょっと攻め、年に数回サーキットへ行く…くらいなら、これくらいが快適性と両立できていいんじゃないでしょうか。
まぁ、僕は初のマイカーを購入した3ヶ月後から今までの7年間、ずっとフルバケに座り続けているので、シートに関してはかなり辛口です(笑)
ショートストロークMTでエンジンの旨味を引き出す楽しさがある
試乗車は待望の5MTでしたが、非常にショートストロークで手首の返しでガシガシ決まり、とても気持ちの良いものでした。
トルクも太くクラッチのミートポイントも分かりやすく、久しぶりにMTに乗る人でもエンストはしにくい事でしょう。
あらためてワークスに乗って感じたのは、マニュアルでクルマを走らせる人馬一体感です。ターボラグを感じさせないレスポンスの良い加速はエンジンの良さも有れど、やっぱりドライバーの意図通りに走らせられるMTだからという理由も大きいと思います。
試乗した範囲では、ワークスの方がターボRSより燃費が良かった!
カタログ値ではワークスが23km/L(MTのFF)、ターボRSが25.6km/L(FF)とターボRSの方が上なのですが、なぜか試乗車ではワークスの方が良い印象でした。
というのも、ターボRSを試乗した際は15km/Lを下回っていましたが、ワークスでは途中2回ほどブン回して14.2km/L、大人しく走っている時にはそれ程燃費を意識していないにも関わらず18.2km/Lでした。
多少の交通環境の差異を考慮したうえでも、私の場合ワークスの方が高燃費を出せたということは、慣れないロボタイズドMTで苦労して走っているよりも、マニュアルでスムーズに走らせた方が燃費が良いと言うことでしょうか。
期待するほどアドレナリンは出なかった
ココからはマイナス点を。ターボRSに対して「0.2kg・mのトルクアップ」は正直はっきりと感じられませんでしたし、ECUチューンによってピークが上に伸ばされたのも、「言われてみれば…」という感じでした。
期待したほどの劇的な速さの違いはなく、ターボ過給圧が高くなると赤色に点灯するブースとインジケーターが点灯していても、大の男が2人で試乗する範囲では、そこまでの刺激は無かったです。
それよりも最高出力を発生する6000回転に向かってタコメーターの針が近付くにつれ、軽トラックか?と思うエンジン音の唸りが響くのはチョット興ざめ。例えばダイハツの「コペン」とかは、もうちょっとそれらしい音がしていたかなぁ…。
更にはっきりと書くと、大雑把に乗れば、レカロのシートとマニュアルトランスミッションを除けば、ターボRSとの差は大きく感じなかったとすら言えます。足回りの引き締まり具合も、全くクルマに興味が無い人からすると変わらないと言われてしまいそうです。
当初ワークスを出す予定が無かったと開発陣が断言してるように、それだけターボRS自体も完成度が高かったと言えばそれまでですが。更にはホンダのS660やコペンが850kgという重量に対してアルトワークスは670kgという圧倒的な軽さ。その軽量感は感じられたものの、ターボRSも670kg。最高出力は同じだし、実際にフル加速した時の速さも、ターボRSと体感的に同じ。ワークスならではのもう少しのピーキーさや刺激が欲しかったですね。
課題は浮いた50万円で自己解決すべし!
最後は厳しいことを述べたワークスですが、そもそもワークスはS660やコペンと違って、買って満足!ではなく、自分で自分好みに仕上げていくクルマなんでしょうね。
そう考えると、S660が200万円オーバーなのに対してアルトワークスは約150万円。その差は50万円。これだけあれば、自分好みにカスタマイズできます。
「アルトワークスを50万出してイジるぐらいなら、S660買うよ」って話ですが、どうしても4人乗れるスポーティな軽が必要なら、アリなんじゃないでしょうか^^;
AT派もワークスで!!ターボRS+21万6千円で、レカロ2脚+専用チューンは激安!!
ワークスとターボRSの差は216,000円です。
純粋なレカロシートを2脚買えば最低20万はしますし、レール代や工賃を考えれば確実に突破します。標準装備のレカロは「レカロ気分」ではありますが、ECUチューンが入ったりもしていますから、この価格設定はバーゲンプライスと言えると思います。
MT派は問答無用でワークスを指名買いでしょうが、AT派もターボRSではなくワークスがおすすめです。ワークスのレカロシートでもターボRSのシートとは比べ物にならない程に快適性が高いですし、今後のリセールバリューも考えるとワークスを選んで損はないでしょう。
良くも悪くもワークスは、ターボRSのお値打ちバージョン
以上新型アルト ワークスについて辛口で見てきましたが、ターボRSや他のライバルと比較を踏まえた特徴は以下の通りです。
- ターボRSの完成度が高かった故、MTの設定有無を除いた中身の違いはそれ程大きくない。
- ホットハッチ軽カーを意のままに操るMTが選べるのがターボRSに対して最大の魅力。
- ターボRSとの差額216,000円でレカロ2脚+専用チューニングはバーゲンプライス。
- 絶対的な速さを語るほどではない。オープンボディや官能的なマフラーサウンド、6MT、スーパーカーライクな雰囲気を持つS660の方がアドレナリンは出た。
- 個人的な感動は「コペン<アルト ワークス<<S660」だった。
- S660やコペンよりは、自分で好みの1台を作り上げる楽しみの伸びシロ&予算の余裕有。
グレードは1つだけ、魅力的なオプションは無し
アルトワークスはFF、4WDの2種類の駆動方式に5MT、5AGSの2種類のトランスミッションの組み合わせ、計4種類です。グレードとしてはモノグレードで、かつてのように「660 ie」と「660RS/Z」と選べるようなことはありません。
オプションに関してもメーカーオプションの設定は無く、販売店装着オプションのカタログを見ても内外装のドレスアップパーツばかり。ダウンサスキットやエアロなどは無く、S660のアクセサリーカタログ程心躍るものではありません(笑)
カスタマイズは社外パーツで。お値打ちなところでいくと、ターボRS用の車高調はTEINから、マフラーもモンスタースポーツから発売されていますから、これらがワークスにも対応するのは時間の問題でしょう。
ダウンスプリングは既にRS☆Rからワークス用が出ています。
予算195万円、値引き10万円
予算は付けるナビやオーディオによって変わってきますが、仮にアルトワークスのカタログの内装写真に載っているナビ「スタンダードメモリーワイドナビセット(富士通テン) 178,578円」を装着し、フロアマットやETCなどを付けた場合、約195万円。
値引きは、僕が販売店を訪れた2016年1月現在、車両本体からと用品からとの値引きを合わせて10万円弱とのことでした。
今や軽自動車でも160万円は決して高い金額ではありませんし、先にも書いたとおりこの価格でレカロと専用チューンが付いてくるのはお得です。
残価設定ローンにすれば3年で車体の約50%を据え置きできますし、軽自動車ならではの維持費の安さも魅力。つまらないファミリーカーに飽き飽きしているお父さん、維持が辛くならなくて、一応はみんなも乗れるセカンドーカートしてはいい選択だと思いますよ♪
また、新古車を見つけることができれば、納期は一気に短縮・価格もグッと低い1台に出会えることがあります。
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「あと10万あれば、あのオプションに手が届くけど…さすがにこれ以上は無理。」
そう思っているあなた、諦めるのはまだ早い!
ディーラーに下取りなんかに出さずに、一括査定で一番高く買ってくれるお店に売れば良いんです!
ちょこっと手間は増えますけど、それで欲しいオプションが付けられれば、安いもんじゃないですか??