自動車の大型化に一石を投じる、日本限定ダウンサイジング車種
この20年ぐらいで国内・海外問わずクルマのサイズがどんどん肥大化していき、今や全幅1.8mの大衆車も当たり前になってきました。
90年代の扱いやすいサイズのクルマ…僕が乗ってるロードスターもそうですし、S13シルビアやR32スカイライン、GCインプレッサにDC2インテグラ…今でも根強い人気を持っています。そんな中、メーカー自ら「日本向けの小型モデル」として投入してきたのが、このレヴォーグ。
90年代のサイズに比べればまだまだ大きいですが、「小回りできる運転しやすいクルマ」としてではなく、走りも楽しめるグランドツーリングカーとして投入してきた意味は大きいと思います。
というわけで、そんなレヴォーグに乗ってみました♪
エクステリア・インテリア
位置付けはレガシィというより、インプレッサのスポーツワゴン
レヴォーグは北米市場のニーズに合わせて大きくなり過ぎたレガシィ ツーリングワゴンの後継モデルとしてデビューしました。従って車格と価格はレガシィのそれと被るわけです。
一方でエクステリア、インテリアデザイン共にかなりのWRX臭がします。実際にはインプレッサのコンポーネンツを流用しつつもワンランク上の質感を演出しようと工夫しており、やはり考え方は(インプレッサの名が外れた)WRXと同じです。
特に頑張った感はインテリアで見て取れ、随所にソフトパッド材やレザー素材が使用されていたり、各所にピアノブラック調のパーツや金属調アクセント、メッキパーツを多用したりしています。ただ…たしかに雰囲気を出そうとしているのは分かるんですが、豪華版コンビニスイーツのようなもので、新型レガシィB4やレガシィアウトバックのそれと比べると、本物の上質感とはちょっと違うと思います。
多様なカスタマイズができるエクステリア
そもそも、レヴォーグの購入を検討して55ドライブをご覧になっている方は、いわゆる「クルマ好き」でしょう。
そんなアナタに朗報♪
このレヴォーグのエクステリア、なかなかイジり甲斐があるようです。クルマ好きにはお馴染みのSNS「みんカラ」を見ていると、WRX STI用のフロントグリルやサイドフェンダーを流用している事例が多く見受けられます。
またエクステリアパーツのみならず、足回りに関するパーツもSTIから多く発売されているので、カスタマイズ好きにはたまらない1台かもしれません。
選択可能なシートは2種類。オススメはスポーツシート♪
レヴォーグはグレードによって標準のシートとスポーツシートと2種類のシートが用意されています。
オススメは後者のスポーツシート。サイドサポートがしっかりしていて横Gがかかったときのホールド性も高いですし、ほどよい固さのクッションで、長距離ドライブでも疲れにくいと思います。
ただ、残念なのはスポーツシート採用モデルのリアシート。個体差もあるのかもしれませんが、シートバックの背面の張りが強すぎるように感じました。ノーマルシート採用モデルのリアシートでは気にならなかったんですけどね。
リヤシートを使用する機会が多い方は、購入前にリヤシートに座ることになる人をディーラーに連れて行って、実車で確認することをオススメします。
機能性
進化する自動ブレーキ「アイサイト」
「ぶつからないクルマ」をキャッチフレーズに、衝突回避システムブームの火付け役にもなった「アイサイト」は、現在では3世代目となりました。
「どこのメーカーの自動ブレーキが最も高性能か」という議論は難しいところです。例えばYouTubeなどを見ていても、実際に止まらなかったり、衝突までに停止が間に合わなかったりする動画が出回っていたりします。ですが、個人的にはアイサイトが一番なのではないかと思っています。
その理由は、アイサイトが車両や歩行者の認識にステレオカメラを用いて画像認識しているためで、多くの車種が採用しているレーダーとはそもそもの仕組みが違うということ。
レーダーは跳ね返ってきた電波をキャッチして、跳ね返ってくるのにかかった時間から距離を認識するという仕組みなので、原理上、乱反射してしまうリスクがあり、感度を高めすぎると誤作動が増えてしまうため、あまり感度を上げられないはずです。
その点、カメラであれば車線認識と併せて、自分の正面にいる他車を特定して認識できるでしょうし、レヴォーグに搭載されているVer.3ではブレーキランプの点灯まで認識できるようになったそうです。レーダーでは、どう頑張ってもライトの点灯をキャッチすることはできません。
また、前車追従機能も高性能です。全車速対応のクルーズコントロールは、前車と適度な車間距離を取って追従してくれ、完全停止までしてくれます。これらの操作がボタン1つでできてしまうわけですし、一連の動作も非常にスムーズでした。
個人的には、こういう機能に頼るのは運転への集中度が落ちると思っているので使うつもりはないですが、この性能には驚きました。
やはり扱いやすいサイズ
大きくなり過ぎた先代レガシィに比べ、全長×全幅×全高=4690×1780×1465mmというサイズは先々代のレガシィのそれと近いサイズです。
先代のレガシィも乗ってしまえばそれほど大きさを感じないといえば感じませんが、それでも全幅1800mmを切ったレヴォーグに乗ると「こっちの方が断然運転しやすい」と感じます。それでも後席は必要十分な広さは確保されていますし、ワゴンとして「使える」ラゲッジの広さは健在です。
走行性能
1.6Lターボでもモリモリ!
レヴォーグでは1.6Lターボと2.0Lターボの2種類のエンジンが用意されています。
2.0LのエンジンはFA20…そう、86/BRZのエンジンで、これをさらにターボ化したもの。300馬力もあるんですからパワフルなのは当たり前です。完全にスポーツカーの加速力で、そういうのが好きな人以外にはまったく必要ないパワーです(笑)
気になるのは1.6Lターボ。
FA20ターボの怒涛の加速を知らなければ、1.6Lターボでも十分にパワフルに感じます。それもそのはず、3Lエンジン並の最大トルク25.5kgmを1800rpmから発生させるんですから、そりゃ~充分でしょう。ペダルの操作に対して、やや大きめにスロットルを開く傾向にありますが、そこまでパワー感を強調しなくても低速域から十分パワフルなのに…と思います。
そのためか、ダウンサイジングターボのくせに燃費はそれ程良い訳でなく、1.6Lモデルで普通に走って8km/L台でした。
また、独特のボクサーサウンドはいかにもスバルと感じましたが、BRZと違い、ある程度上の方まで回してもそれほどうるさくは感じません。ただリアからのロードノイズは少々気になりましたが…ワゴンボディなのである程度は仕方ないかもしれませんね。
ビルシュタインダンパーは魅力的だけど、後席は苦痛
足回りの設定も2種類あり、ノーマルの足回りの「GT」に対し、「GT-S」にはビルシュタイン製ダンパーが奢られます。
やはり走りたい私にはこのビルシュタイン製のダンパーは魅力です。引き締まった足回りだという印象を感じるのですが、ゴツゴツ感は無く、路面からの入力を丸め込んでポンポンとリズムよく伝えてくれる印象です。
ですが一方で、リアシートに乗り換えると明らかに硬い。
BMWのMスポーツグレードと同じ感覚で、後ろに乗っていても「運転手は楽しいんだろうな~」というのは分かるのですが、この突き上げを長時間我慢するのはイヤです(笑)
ライバルは…アテンザ?ゴルフ??
最近、国産のステーションワゴン自体が絶滅しているので比較も難しいのですが、こんなイメージだと思います。
- 国産だと…マツダ アテンザワゴンXD(317万円)
- 車格的には…BMW320i ツーリング(505万円)
- 価格的には…フォルクスワーゲン ゴルフヴァリアント(288万円)
端的に言うと、質感やランニングコストを考えるならアテンザです。一方、ガンガン踏んで走って楽しいのは断然レヴォーグです。アテンザワゴンは良い意味で大人びていますが、デザインの好き嫌いもキッパリと別れますし、何より大きすぎます。
あとは値引額でもレヴォーグに軍配が上がります。かつて強烈な値引きからマツダから離れられなくなることを指す「マツダ地獄」なんていう言葉もありましたが、最近好調で強気のマツダ、アテンザがそのディーラーで買う2台目のマツダ車だったのに30万円弱しか引かれなかったという話を聞きました。
輸入車に目を向けるとこのクラスのワゴンは多いのですが、レガシィとインプレッサの間と考えると、車格的にはBMW3シリーズですが500万円コース。
そこでフォルクスワーゲンに目を向けると、ゴルフのワゴンタイプ、ヴァリアントだとむしろレヴォーグより安い。しかし、ドイツ車とはいえかなりベーシックなクルマですし、1.2Lターボと走行性能はレヴォーグに到底及びません。
オススメグレードは1.6 GT-S、納期は2ヶ月
僕のオススメは、ビルシュタイン製ダンパーやスポーツシートが装備される「GT-S」です。その中でも「1.6 GT-S EyeSight Proud Edition」は他のモデルよりも減税額も大きく、正にお値打ちな特別仕様車です。
迷うは1.6Lターボか2.0Lターボかですが、前者でも十分にパワフルですし、走りを重視するならレヴォーグだと中途半端です。ご家族の関係で、どうしてもワゴンボディが必要だけどかっ飛びたい…という場合はやむを得ませんが^^;
あとは、1.6Lだとレギュラーガソリン仕様で、減税対象なのもちょっとしたポイントですね。
先月聞いた話だと、納車待ちは2ヶ月程度だそうです。
また、新古車を見つけることができれば、納期は一気に短縮・価格もグッと低い1台に出会えることがあります。
こちらのサイトでメーカー・車種名を入力し、備考欄に「新古車希望」と書いておけば、一般の中古車サイトに掲載される前の非公開情報から、新古車を探してもらうことができますよ。
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おすすめオプション
まず、メーカーオプションは車線変更アシスト機能やアイサイトアシストモニター、ハイビームアシストなどがセットになった「アドバンスドセイフティパッケージ(43,200円)」です。
これに「ベースキット(カラードナンバープレートベース、ナンバープレートロック、ホイールロックセット、ドアバイザー、フロアカーペット:70,740円)」をつけ、ナビやETCをつけ、350万円が目安です。
スバルはナビのキャッシュバックキャンペーンやメンテナンスパックプレゼントキャンペーンなども販売店ごとに充実していますので、そのあたりを見ながら賢く買いましょう!
総評
クルマ自体は良いクルマなんですけど、感覚的には高いと感じます。
前述の通り、国産ライバル不在なので難しいところなんですが、最廉価グレードで280万円弱から。2リッターターボを選択すると約335万円~です。WRX STIのワゴンだと思えば300万オーバーも自然ですし、BMW320iやアウディA3と比べれば当然安く、VWゴルフヴァリアントだと同価格帯ですが走行性能は上。
そう考えると妥当…ってことになってしまうんですけど、今ひとつ納得感がありません。
値引きは大きめという話で、友人が2.0 GT-Sで値引きとキャンペーンの合わせ技で50万円弱安くなったと言っていたので、2.0 GT-Sが300万円切るならアリかな~と感じますね。
今の愛車を高く売って、購入予算を稼ぎましょう♪
「あと10万あれば、あのオプションに手が届くけど…さすがにこれ以上は無理。」
そう思っているあなた、諦めるのはまだ早い!
ディーラーに下取りなんかに出さずに、一括査定で一番高く買ってくれるお店に売れば良いんです!
ちょこっと手間は増えますけど、それで欲しいオプションが付けられれば、安いもんじゃないですか??