「レーダー探知機は、高い機種ほど捕まらない」と思ってませんか? 答えはNO。 1万円ちょっとの安い入門機でも変わりません。
4年落ちと最新型の入門機を並べて装着して走ったり、2015年モデルの最上位機種と入門機を比較した結果、行き着いた結論です。
その理由は、この記事でがっつり解説します。
それでも「御守りみたいなもんだから」と言って3万円の機種を買うことは、30km/hオーバーのスピード違反で捕まる反則金より損することになりますよ(笑)
おすすめ機種は セルスターVA-820EZ
僕が選ぶ基準は「必要充分な機能を持っている中で一番安いモデル」です。
その理由は、高い機種でも捕まるリスクは変わらないから。
そして今のオススメはセルスター2017年モデルの入門機、VA-820EZ。
小型オービスのレーダー波受信機能はないものの(GPSによる警報は出ます)、1万円以下という安さでOBD2接続に対応し、必要な機能は全て揃ったコスパの高いモデルです。
2019年春モデルから、新型オービスのレーザー光の受信に対応したモデルも登場しましたが、「これがあれば捕まらない」というほどのものではありません。詳細はこちらの記事で。
OBD2による接続に対応
ざっくり言うと、車側のコンピューターと繋ぐことで、正確なスピードや車両情報をレーダー探知機が利用できるというものです。
国産車では2008年10月以降の新型車に装着が義務づけられました。 ここにレーダー探知機を接続するとより正確な情報が表示できますし、タコメーターや水温計、ブースト計といったメーターの代わりにもなるのでおすすめです
ただし、これ以前の国産車や輸入車だと端子がついていてもデータがうまくやり取りできないことがあるので、購入前に適合を確認しましょう。
高級レーダー探知機は「余計な機能」のせいで高いだけ。捕まるリスクは変わらない。
いくら「安いので充分」と言われても、現実に高級モデルは存在しているわけで、「やっぱり高い方が安心なのでは?」と感じるのは分かります。
たしかに高級機の方が機能は多いんですが、「その機能のおかげで捕まらずに済んだ!」と言えるような機能はないんですよ。
つまり、「取締りとは関係ない”余計な機能”が充実しているのが高級機」だと考えましょう。
そこで、高級機に付いている「余計な機能」を挙げて、いかにそれが捕まることと無関係なのかを解説します。
※ちなみに僕がコムテックの最上位機種ZERO800Vを使っている理由は、①入門機との性能比較がしたかった ②画面がきれいでメーター表示がカッコいいからですw
気休め程度のGセンサー&ジャイロセンサー
地下やビル街などでGPSの電波が受信できないときに、自分の位置を測定する補助機能がGセンサーとジャイロセンサーです。
理屈としては納得がいきますし、説明しようと思えばできるんですが、「論より証拠」ということでこの動画をご覧ください。
これは、Gセンサー・ジャイロセンサーともに付いているコムテックZERO800V(2015年の最上位機種)と、どちらも付いていないセルスターAR-212EA(2015年の入門機)を並べて設置し、首都高の地下にあるオービスの警告がどうなるかを比較したものです。
ご覧のとおり、Gセンサー・ジャイロセンサーも付いていないAR-212EAの方がむしろ正確でした。
もちろん、1カ所だけでの実験が全てだとは言いません。
とはいえ、そもそも長いトンネルの中にオービスが設置されていること自体が少ないわけで、そんな場所で「GPSの誤差のせいで捕まった」なんていう超レアケースのために1万円余計に出すのはもったいないですよ。
Wi-Fiによるデータの自動更新。SDカードじゃダメですか?
レーダー探知機用のデータ
は月1回更新され、メーカーのサイトからダウンロードして更新することができます。
①パソコンでダウンロード
②SDカードにコピー
③SDカードをレーダー探知機に入れて更新、
という流れが一般的ですが、高級モデルの中にはWi-Fi(無線LAN)で自動更新できるものがあります。
たしかに便利ですし、更新忘れの防止にもなることは確かです。
ただ、SDカード経由でやることも大した手間ではありませんし、それすら難易度が高いと感じる人にとってはWi-Fiの設定も難しいでしょう。
そう考えると、やはりWi-Fi更新のために1万円余計に出すのはムダと言えます。
子供だましのドライブレコーダー連動機能
レーダー探知機とドライブレコーダーを接続して連動させることができます。
要するに「レーダー探知機の画面にドライブレコーダーの映像が出てくる」というそれだけの話で、「だから何?」といえる機能です。
「スカウター機能搭載!」と誇らしげな説明をしているメーカーもありますが、ただ映像の上にそれらしい線がお絵かきされるだけで、特に何かの機能が増えるわけではありません。
ドラレコの映像よりもレーダー探知機の元々の画面の方が警告も見やすいですから、むしろ捕まるリスクが上がるんじゃないかとすら感じます。
ちなみに、GPSによる速度表示や位置情報、車線はみ出し警報などの安全運転支援機能は、レーダー探知機とは関係なくドライブレコーダー側が持っている機能ですから、気になる方はドラレコ選びの時に考えましょう。
ムダな電波をたくさん拾える
「18バンド受信」とか「5バンド受信」と書かれているもので、要するに受信できる電波の種類を表しています。 現行機種で最低なのが5バンド。 その内訳は以下の通りですが、これだけあれば充分です。
- GPS:自車位置の測定用
- カーロケーター:パトカー等が本部に位置を知らせるもの(切っていることも多い)
- Xバンド:旧型のオービスやレーダー式のネズミ取りで使用
- Kバンド:海外のオービスで使用
- 350.1Mhz:取締りでよく使用される無線の周波数
高級モデルの18バンド受信の内訳を見てみると、ヘリコプターやら消防・救急・タクシーの無線、特小無線(普通のトランシーバー)などの電波で、僕は工事現場の誘導員のやり取りぐらいしか受信したことがありません(笑)
ざっくり過ぎる公開取締情報・速度取締り指針
公開取締情報・速度取締り指針とも、「ここでスピード違反の取締りを行います!」と各都道府県警察が発表しているデータです。
- 警視庁公開取締情報
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kotsu/torishimari/kokai_juten/kokai.html - 警視庁速度取締り指針
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kotsu/jikoboshi/torikumi/sokudokanri/torishimari.html
ご覧のとおり、「この辺でやりますよ~」とは言うものの、いつやるかは分かりませんし、当然これ以外の場所でだって取締りはしています。
こんなアバウトな情報では、あってもなくても変わりません。 よほど気になるなら、出発前にスマホでチェックすればいいだけの話です。
本体や画面表示のデザインがきれい
もはや取締りとはまったく関係ありませんが、高いモデルほどデザインにこだわっています。
車内のインテリアとして使うとか、かっこいいメーター表示が欲しいというこだわりがあるなら、高級モデルを選ぶことは止めません。
ミラー型より、一体型がおすすめ
レーダー探知機にはスマホを小さくしたような「一体型」と、ルームミラーに組み込まれた「ミラー型」の2種類があります。
僕は以下の理由から一体型をおすすめします。
安い
ミラーに埋め込むという、ややこしい設計ではない分だけ安いです。
見やすい
一体型をダッシュボードの中央付近に設置すると、前を見て運転していても視界に入りますから、安全運転につながります。 ルームミラーを見ながら運転してたら危ないですよね?
一体型のデメリット:モノがひとつ増える
ただし、一体型だと車内に余計なものが1つ置かれるわけですから、極力インテリアをすっきりさせたいのなら、ミラー型を選ぶのもアリですね。
取付はシガーソケットにつなぐだけ。通販で買って自分で付けるのがお得です。
「オートバックスで買って、お店で付けてもらおう。」と考える人は多いです。 でも、その工賃3,000円もったいないですよ。
- レーダー探知機を両面テープで設置する
- シガーソケットに電源ケーブルを挿す
この1分で済む取付作業に3,000円出しますか?(笑)
それにタイヤやバッテリーと同じように、レーダー探知機もお店で買うと割高です。
内装にすごくこだわっていて、電源ケーブルを内装の裏に隠して設置したいといったこだわりがあるなら別ですが、こんなのはDIYでやってしまいましょう。
レーダー探知機がスピード違反の取締りを見つける方法
今どきのレーダー探知機の仕組みは、基本的にカーナビと一緒です。
カーナビにセットした目的地に近付くと「間もなく目的地に到着します」と案内されるのと同じように、レーダー探知機が記憶しているオービスに近付くと「この先オービスがあります」と警報されるんです。
つまり、GPSの位置情報をベースにした警報が中心になっていて、「レーダー波をキャッチして警告する」という方式は警察の涙ぐましい努力の末(笑)、ほとんど役に立たなくなりました。
オービス(速度自動取締機)の見つけ方
前述の通り、レーダー探知機には日本中のオービスの場所が登録されているので、その場所に近付くことで警報が鳴ります。
新設されたオービスに関しては、データ更新を行うことで追加登録される仕組みです。
一部の旧式のオービスにはレーダー波を出すものがあり、そのようなオービスについてはGPSによる位置情報に加え、キャッチしたレーダー波による警報も鳴ります。
移動式小型オービスの見つけ方
2016年3月から本格導入が始まった移動式小型オービスについてもGPSで対応しています。
ちなみに2014年以前のレーダー探知機だと「取締ポイントです」という警報しか鳴らないとの情報がありますが、僕は2015年以降の機種しか紹介しないので心配ありません。
詳しくはこちらの動画で説明しています。
移動式オービス・車載オービスの見つけ方
これはハイエースなどの覆面ワンボックスに測定機器を積んだ車両のことで、いつどこに現れるか分かりません。
なので、レーダー探知機には「過去に取締りが行われたことがある場所」が大量に登録されていて、その場所に近付くと「取締りエリアです」といった警報が鳴ります。
道路に設置されたオービスと違い、警報が鳴ったからといってそのタイミングでオービスが実際にあるかは分かりませんが、聞こえたらスピードを確認するクセをつければ捕まる心配はありません。
※写真の覆面ハイエースは移動式オービスではありません。
ネズミ取りの見つけ方(16km/hオーバーで捕まります)
ネズミ取りとは、道路の隅に光電管やレーダーを設置し、警察官が物陰に隠れて取締りを行うアレです。
これもいつどこに現れるか分かりませんから、やはり「過去に取締りが行われたことがある場所」が登録されていて、近付くと「取締りエリアです」といった警報が鳴ります。
レーダー式の場合はレーダー波をキャッチすると警報が出ますが、昔と違って測定する一瞬しかレーダー波を出さないので、取締ポイントの直前になるまで警報が出ませんから油断しないようにしましょう。
ちなみにオービスは30km/hオーバー(一般道)で光りますが、ネズミ取りは警察官が現場を目撃しているので16km/hオーバーから捕まります。より注意深く運転しましょう。
パトカー・覆面パトカー・白バイの見つけ方
もちろんパトカーも、いつどころに現れるか分かりません。
カーロケーターの電波を受信すれば、近くに何かしらの緊急車両がいることは分かりますが、それだけでは頼りになりませんよね。また、必要な時以外はスイッチを切っていることも多いです。
なので、やはり「過去にパトカーや白バイが多く活動していた場所」が登録されていて、そこに近付くと警報がなる仕組みになっています。
その他の交通取締の見つけ方
レーダー探知機はスピード違反以外の取締りポイントも教えてくれます。
具体的には、飲酒検問・信号無視・一時停止・携帯電話・シートベルトなどなど。
これらの取締りが多く行われている場所に近付くと警報が鳴りますから、うっかり違反をしないために確認しましょう。
もちろん、飲酒したら運転しちゃダメですよ!(笑)
まとめ:だから安い入門機で充分なんです!
- おすすめは一体型の入門機
- 高級モデルは「余計な機能」のせいで高いだけ
- 取締りポイントの警報はGPSが主体なので入門機で充分
レーダー探知機の性能を比較していると、普段見慣れない言葉が大量に並んでいて、高い機種の方が数字が多いので高性能だと思いがちですよね。
そう思い込んでいる人が多いからこそ高級モデルが売れているわけですが、「罰金より高いレーダー探知機を買う」なんてことは本末転倒ですから、かしこい買い物をしてくださいね!
コメント
丁寧な説明わかり易かったです
ZERO600Vを検討しているのですがやはりODB2で接続した方がいいですかね
ぱんださん、こんばんは。
ご参考になったようで何よりです。
地下でもスピードを表示できるメリットがありますから、適合する車種にお乗りであればOBD2で接続することをおすすめします。