「駆け抜ける歓び」って…。
BMWのキャッチコピー、「駆け抜ける歓び」。
CMのラストにも登場しますし、ニュルブルクリンクのシグナルにも書かれているほどの有名な言葉ですね。
何度も乗ってるけど、分からない。
でも、個人的にはイマイチ共感できないんです…。
親がE90の323i M-Sports→F30の328i Sportsと乗り継いでおり、何度も運転しているんですが、なかなか歓べる機会がない(笑)
「駆け抜ける歓び」ってなんだ?
この言葉から連想する状況は人によって違うと思うんですけど、一直線の道をスパァーっと走り抜けることかもしれませんし、カーブを次々にヒラヒラと抜けていくことかもしれません。
たしかに、それは歓べそうな状況なんですけど、少なくとも自分はBMWに乗ってその状況に出逢えた試しがないんです。
328iは速いには速いですが、盛り上がりに欠けて高揚感がない。
(なのにスピードは出ている)
323iは車重に対してパワー不足と感じ、速さすら感じない。
もちろん、直線だけでなくワインディングも走ったことはありますよ。
そこで感じるのは、圧倒的な安定感。
カーブで段差を踏んでも何事もなかったかのように抜けていきますし、一般道を走っていても、高速道路で加速していっても、シートやハンドルから伝わってくる感覚はほとんど変わりません。
これはこれで凄いことなんだとは思います。
何をやってもスムーズで、不安感を感じさせません。
でも、それって「駆け抜ける歓び」なんでしょうか?
僕はワインディングを走るのは好きなので、BMWでそれなりの走りをしたこともありますが、ほんとにサクサクと走れてしまう。
なんというか、操っているというよりも、手を添えているだけ、というような感じなんです。
フラつくことが歓び?(笑)
一方で、他の車はどうなのか?
僕は今はマフラーだけ交換したアルファ147に乗ってますが、前は足回りを固めたプジョー206、その前は機械式LSDまで入ったスカイラインに乗ってました。
チューニングカーからノーマル車まで、いろんな車で走ってきたことになります。
そして、どの車もスピードが速くなればなるほどカーブでドキドキしますし、高速の継ぎ目など、カーブで段差を踏めば僅かにリアタイヤがスライドします。
そのちょっとした挙動に対して、自分も微妙にアクセルやハンドルを操作して、修正した気になる。
これこそが、「自分で操っている感じ」だと思うんですよ。
(もちろん、修正操作なんてしなくても、なんら問題のないレベルの挙動です)
普通に走っててスピンするような不安定な挙動は困りますが(笑)、「ちょっとした不安定感」があった方が自分で操っている気になれて、そうやって車を手なずけながら走り抜けていくことが「駆け抜ける歓び」なんじゃないかと思うんです。
ドイツでなら歓べる!?
BMWに限った話ではありませんが、一般にドイツ車はかなりの安定感を持っていると言われます。
その理由は、速度無制限区間のあるアウトバーンで200km/h以上出しながら、安全にロングツーリングできる性能が必要だからです。
つまり、200km/hでも安定している車じゃないといけないわけで、60km/hや100km/hで前述の「フラフラ感」を味わえてしまうようでは、怖くて運転できないんでしょうね(笑)
さすがにBMWで200km/hツーリングをしたことはありませんが(汗)、もしかするとこの領域で初めて「程よい不安定感」を感じることができて、「操ってる感」も出てくるのかもしれません。
そうだとすると、このスピード域では並の車だとすでに「怖い領域」に入っているので、ここで初めて真の「駆け抜ける歓び」を感じられるのかもしれませんね。
日本で「駆け抜ける歓び」を感じさせてくれるのはコレ!
そんなわけで、僕は日本の公道で使う前提だとBMWの「駆け抜ける歓び」を引き出すことはできないと思っています(少なくとも最近のモデルでは)。
当然、プレミアム感や重厚感はありますし、前述の通り、いかなる状況下でも静かに安定してスムーズに走れることは「凄い」の一言に尽きます。
ただ、「駆け抜ける歓び」という感覚を求めているのであれば、他の選択をした方が幸せになれると思います。
最もベーシックな3シリーズは一番安価なモデルが320i SEの430万円です。
この価格を基準に「駆け抜ける歓び」を感じられそうな車を考えると…。
スピード重視:スバル WRX STI
猛烈な加速による「ワープ感」を「駆け抜ける歓び」の要素とすればこれでしょう。
上級グレードのタイプSでも410万円です。
BMW換算すると566万円のM135iってとこでしょうか。
特別なテクニック無しに走るなら、4WDということもあり、ヘタするとM3並に速いと思います。
雰囲気重視:アルファロメオ ジュリエッタ コンペティツィオーネ
アルファロメオの現行ラインナップでは最も高級車扱いの1台。
上級グレードとして、ミニスーパーカーの4Cと同じエンジンを積む「クアドリフォリオヴェルデ」もありますが、敢えてのコンペティツィオーネです。
その理由は、「操ってる感」に直結する、「実際以上に速く感じさせてくれる」こと。
一般道ではせいぜい50~60km/h、高速でも100km/h+αしか出ない日本において、これは大切な要素です。
それを実現するのが、やる気にさせるインテリアデザイン。
そして、アルファが伝統的に重視しているサウンド。
インテリアや音が作り出す雰囲気との合わせ技で「駆け抜ける歓び」を充分に感じさせてくれると思います。
運動性能重視:ケーターハム セブン250
えっと、これは反則でしょうか?(笑)
スーパーセブンは乗ったこと無いですが、125馬力の1.6Lエンジンとはいえ、車重わずか540kg。
約1500kgある3シリーズに換算したら350馬力相当です(爆)
トルクはどう頑張っても負けるので、ダッシュ力はターボ車に負けますが、圧倒的な軽さから来るコーナリングの速さはピカイチ。パワステもブレーキサーボもない超ダイレクトな感触は、イヤと言うほど「操ってる感」を主張してくることでしょう。
お値段は475万円と若干お高いですが、究極の車好きを自負するなら選ぶべきです!
ちょっと扱いに悩んだんですが…。
WRX STIとジュリエッタの間に入る1台:ルノー メガーヌRS
速さで言えばWRX STIに及びませんが、雰囲気で速さを演出するジュリエッタ(充分な速さですが…)とは異なり、実際にサーキットでもとてつもなく速いのがメガーヌRS。
ニュルブルクリンク最速のFF車をアピールしているぐらいなので、その走行性能は本物です。
そして、フランス車ならではの運転する楽しさも存分に味わえるでしょう。
今年登場する新型ロードスターや、中古も含めればS2000など候補は色々出てきますが、とりあえず今回はここまで。
本当に「運転が楽しい1台」で気持ちの良いドライブを楽しみたいものですね♪
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